明けましておめでとうございます

HAPPY NEW YEAR 2018!  今年は戌年ですね。弊社では今年こそ犬を飼いたい!のですが、どうなることやら・・・。悩んでしまいます・・・

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ありがたいことに今年はとても忙しい1年になりそうです。体調管理を徹底して、笑顔を忘れずに、楽しくお仕事をする一年にしたいです。皆様の2018年が素晴らしい一年となりますように。今年も何卒宜しくお願い致します。

子供達に家への愛着を感じてもらいたい

弊社、忙しい年末だけど、こんなもの作っています。

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模型です。弊社の設計ではありません!!!!私が建築士になるかなり前に某ハウスメーカーさんで家を建て(てしまっ)た姉の家の模型です。模型はクリスマスプレゼントとして姉一家にあげます。

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2階のLDK部分は開けられるようにして家族の団欒の様子を見やすくしています。この模型を見て姪っ子、甥っ子はどう感じるでしょうか。じっくり時間をかけて眺めてくれるでしょうか。

今の子供達はiphoneがあったり、テレビがあったり、視覚的刺激で飽和状態だと思います。画面に映る画像は2次元。動画でさえも画像のつなぎ合せに過ぎません。そしてその画像は与えられているのであるから、見る側はクリエイティブになる必要性がない。しかし模型は違います。なにを見たいか、なにに興味を持つかは自分次第。大きさがあり、重さもある。アングルを変えると見えるものが変わる。模型より50倍大きい実際の家の中でこの模型を持つと大きさに対する感覚が目覚める。模型を眺めると不思議とストーリーが生まれ、全く異次元の時間が流れはじめる。身体が、身体の感覚が空間を捉え始めるのです。

とにかく私は子供達に、空間に対してそして一番身近な家に興味を持ってもらいたい。そして愛着を感じてもらいたいです。この家が私の設計でも巨匠の設計でもないことはあまり大切なことではありません。子供達がじーっと眺めて楽しい空想をしたり、空間に対して興味を持ってもらうことに意義があると思うから。そんなクリスマスギフト、喜んでもらえると嬉しいです。

安藤忠雄さん

実は私、Olson Kundig Architects(←クリック)という事務所で働いてた時、「森の教会」という物件の担当をしておりました。その物件はベルビュー(ワシントン州)の森の中のプライベートの教会で、安藤忠雄さんが設計者、オルソンクンディグが地元の建築事務所。私はアメリカチームの中で唯一日本語がわかるスタッフ。予算のかんけいで中止となってしまいましたが、安藤事務所に訪ねたこともあるし、あのおもろいキャラ炸裂で打ち合わせをしたことも鮮明に覚えています。安藤事務所で担当をなさっていた私と同世代のSさんとは今でも交流があり、安藤さんのディテールを知りたい時は彼に質問しています。さてさて。昨日、やっとのことで安藤忠雄展に行ってきました。そして改めて安藤忠雄さんのパワフルでお茶目でゴッテゴテの関西人っぷりに、不思議な安堵感と感謝の念を感じました。来週の月曜日が最終日。まだ間に合いますよ!激混みだと思いますが・・・ヘッドセットを必ず手に入れてください。ヘッドセット越しに関西弁で説明をする安藤さんに笑みがこぼれます。なんだか近所のおっちゃんの展覧会に行った気分にさせてくれるのに、やってることは世界一。すごい人が日本にはいるもんだと思いました。頭大仏(←クリック)には是非行きたい!

光の教会の実寸大のモックアップがありました。でも、やっぱり光の教会は実際の方が断然いいです。2005年に訪問した時の写真をアップしました。建築にとって光って本当に大事だと思う。そして、教会にとって光って最重要課題だと思う。そんなことを再認識させてくれる展示でした。

 
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余談:この時の写真は花粉症の薬を飲んだあとで朦朧とした意識の中撮ったため、結構ボケています。フラフラでも心は大満足でした。リベンジ訪問したいですね。

 

 

家の門構えと抜け感について

門構えについてよく考えることがある。

東京の家はお金持ちであればあるほど道路側に向けて閉鎖している家が多いような気がする。境界線沿いにぐるっと回る立派なコンクリートの壁、高い生垣。2台分の車庫の扉、人が行き来するための格子扉。格子扉の後ろにある玄関扉。開くことのない透視防止レースカーテン。そして極め付けのセコムのシール。当たり前のことだが、用がない人は来ないでくださいと言うメッセージをしっかり送っている。江戸時代の家の門構えの名残なのだろうか。もしくは超有名人が住んでいるのか。気になってしまう。

アメリカでは必ずしもお金持ちの家が閉鎖的な趣になっているというわけではない。パパラッチに追いかけられるようなセレブは門構えとセキュリティを徹底して前面道路から家さえも見えない状態にする。しかし、一般人の家の場合、日本のように閉鎖的にしている家をあまり見かけない。完全に閉じているように見えてどこかで抜ける場所がある。日本のファッション業界でこぞって使う言葉、「抜け感」はアメリカでは門構えのセンスに起用されているのだ。そしてこの「抜け感」が家を家らしくみせる時がある。下の写真の立派な家の門扉はなぜか開いている。いらっしゃい!なのか、おかりなさい!なのかわからないが、とにかくウエルカムな雰囲気と優しさを感じる。恐らく境界線を超えた時点でセキュリティのレーザーが感知してオーナーに連絡が行き、警察沙汰になるであろうから用なく入ることはないが・・・

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下の写真の家は生垣の間に挟まれている。格子の門扉もあり、一見日本の家のような趣に見える。しかし、前面道路に面した大きな窓にカーテンはない。ろうそくのディスプレイが手前にそしてその奥にはリビングルームが広がる。抜けている。この窓一つで、一見閉鎖的に見える2次元のファサードが3次元の奥行きを生み出し家独特の暖かさやぬくもりを表現しているから不思議だ。

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夜になってもカーテンを閉めることはないだろう。灯りをつけて人が集う時も通行人に御構い無しである。もちろんこれがベッドルームだったら話は別だ。しかし、この部屋はリビングルーム。家の中の共有スペースである。別に隠す必要性はないじゃないか。とでも言っているようだ。TRAVELと書かれた本がかっこいい。

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こちらの家に門構えはない。簡単にセールスマンは玄関扉までお近づきになることができるのだが、このフッサフサの植栽が彼らの行動を邪魔する。清らかな家庭の領域に邪悪な奴はくるなとでも言われているような錯覚に陥るからである。家を這うように育つ生命力で溢れんばかりの植栽は精神的に門構えの役割を果たしているのかもしれない。そしてこちらの家もさりげなく「抜け感」を選出している。1階の窓からダイニングルームが見えるのだ。

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素晴らしいダイニングルームだ。赤いテーブルクロスの上に銀食器が並べられている。椅子は8脚ほどあるのだろうか。奥の壁には絵画。なんとも優雅で立派だ。

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今回の写真は全てパロアルトの住宅街を散歩した時に撮ったものである。いろんな形の「抜け感」を見つけるたびに立ち止まって考え込んでしまった。夜になるとより家の中の奥行きが見えて面白いのだが、さすがに変質者と思われるのは嫌だったので夜の写真は撮っていない。

家は住まい手にとって一番落ち着ける場所であるべきだと思う。結果的にそれが厳重な門構えと閉鎖的な作りになるなら、それはそれで構わない。住まい手の性格がオープンな作りに抵抗を感じさせることもあるであろう。家はプライバシーを守るべきだし、住まい手が落ち着けなかったら何の意味もない。しかし、閉鎖的な趣向であれ、オープンな趣向であれ、願わくはどこか一箇所、道行く人が感じる「抜け感」を演出してくれたらと思うのだ。

「風通しのいい家」にて竣工パーティ

「風通しのいい家」の竣工パーティにお施主様より御招待頂き、行ってまいりました!すっからかんの冷たい竣工当時の雰囲気から一転して、家具、カーテン、観葉植物が入り、ぬくもりと優しさを感じる家族の住む空間になっていました。工務店、大工、不動産の方を含め大人8名プラス子供1名の大掛かりなディナーパーティ。MOETのシャンパンから始まり、ChimayやDuvelなどのベルギー産ビールを750mlボトルで何本もご用意いただき、我々が持って行ったワインやら、ビールなどはチェイサーとして活躍し、気がついたら新橋リーマン団体のような大騒ぎに。奥様の作られるおもてなし料理は全てレシピをいただきたいほど美味しく、特に牡蠣のアヒージョとスペアリブが絶品。35本分の鶏の手羽元もペロリと食べてしまったようです。とにかく美味しかった。

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5時から開始したパーティ。お子様も小さいので早めに始めて早めに切り上げると予定していたのですが、気がついたら終電時間。素晴らしいおもてなしをしてくださったお施主様と個性豊かすぎるくらいのゲストの皆様との間には全くを持って話題が底をつくことはなく、いつまでもこのパーティが続くのでは・・・と錯覚に囚われてしまったくらいです。白いカーテンは麻100%のカーテン。写真写りもいいですが、手触りが最高です。オススメいたします。

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ただただ感謝ばかりです。このマンションを探してお施主様に紹介してくださった不動産の方にも、数多くいる建築家の中から私を雇ってくださったお施主様にも、細かいディテールの指示に真摯に付き合ってくれた工務店さんにも、1ミリ単位で気を使って施工してくださった大工さんにも。そして、ママとパパを独り占めできる週末の時間が打ち合わせなどで減ったにもかかわらず嫌な顔一つせず我慢してくださったお子様にも。こうやってプロジェクトが終わってしまうのは悲しいですが、プロジェクトごとに新しい出会いと繋がりがあると思うと心から幸せを感じます。

セントルイスのアーチ St. Louis Gateway Arch

親戚の告別式があったためセントルイスにも行ったのですが、時間がない中、セントルイスのアーチ周辺を散策する機会に恵まれました。あまりにも美しくて帰国後はアーチの構造、エレベーターの構造、裏話など様々リサーチして中に見学できなかった分を埋めています。一言で言うと奇跡です。建設保険会社は建設前当初からおよそ13人は現場事故でなくなると予測していたのですが、結局事故で亡くなった方は一人もいなかったそうです。下のビデオは英語なのですが、私が時間と要約を下にまとめましたので、是非飛び飛びでも見ていただけると面白いと思います。アメリカにある偉大な建築のメイキングを楽しんで下さい。

 

9:45- 第2次世界大戦後行われた当時最大規模のコンペ(1947年)。賞金は125,000ドル、現在でいうと約1,875,000ドル、約2億円。イームズ夫妻なども参加したらしく全米より172案が提出された。ピラミッド案、ナイアガラの滝案、灯台案、方位磁石案など突拍子もない設計も少なくはなかった。

11:36- 第1審査で5プロジェクトの中に選ばれ、サーリネン事務所に連絡がいった。当時サーリネン事務所はすでに著名な建築家であった父、エリエル・サーリネンが率いる事務所であり、父エリエルも、息子エーロもコンペに参加していた。同じ事務所にいながらお互いの案を見ないように部屋の両隅で案を練った。秘書の間違いで吉報は父エリエルに届き、シャンパンでお祝いが始まった2時間後、実は息子エーロの作品が選ばれたと訂正され、2本目のシャンパンは息子のために開けたと言う話もある(←wikipedia enより参照)保守的なエリエルの作品は1930年代を彷彿させるもので選ばれなかったそうだ。 

14:53- コンペで勝ったはいいものの批判的な意見も多かった。中にはムッソリーニのアーチの盗作ではないかと疑われ新聞沙汰にまでなったが根本的なアーチの形状の差異を認められ容疑は直ぐに晴れた。

18:00- 長い設計期間の間に建築家エーロ・サリネンもコンペを企画した市民リーダーのルーサー・イーライ・スミスも亡くなっていた。しかし、工事は1961年に始まった。

19:00- ステンレス板の外枠と炭素鋼板の内枠の間にコンクリートを入れて立ち上げていく。基礎の深さは60ft(約18m)、36,000tのコンクリートが使われた。(因みにアーチの高さは192mです)

21:40- 現場の安全に対する法律が定まっていなかった頃の現場は今の常識から考えると恐ろしい風景である。地上数十メートル上で強い風が吹く中、安全ベルトもなく揺れるスチールの上で大工は作業をした。(22:10-見ているだけでもゾッとします)

32:30- 1万人もの住民や報道局が押し寄せる中アーチ最後のピース(要石)が設置されることとなる。しかし南側の鉄板が熱で膨張してしまい、開きは8.5フィート必要なところ2.5フィートしかない。消防車に要請して鉄板に水をかけてもらうが大した効果は見られず、最終的には構造設計士が用意していた油圧ジャッキで必要寸法まで広げて最後のピースを入れることとなる。(34:47- 最後のピースが入る瞬間)

37:15- どのエレベーター会社もこのアーチの中に入るエレベーターを設計することはできなかった。サリネンは自動車の立体駐車場の開発を進めていた高卒のディック・バウザーに期待し彼を雇った。彼ならできると信じて。しかし市の職員が彼の学歴と職歴に不満をもち不可能な期日を与えることで彼を外そうとしたがその試みはうまくいかなかった。エレベーターの条件は2つ。一つは1日(8時間)に3500人が訪問できるようにすること、もう一つはアーチの外観を触らないこと。最終的には観覧車からヒントを得た構造でエレベーターの設計が完成した。
 

 

いかがでしたでしょうか?説明文はかなり省略してしまったのですが大体は理解していただけたのではないでしょうか。工務店の方や構造の方ならこのアーチがどれだけ大変だったか想像できたと思います。今まで見たこともないものを建てるには構造も足場もエレベーターも全て新しく発明しなければいけなかったんですね。アメリカの20世紀建築のマスターピース。今後も美しくセント・ルイスの町を飾ることとなるでしょう。

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住宅街にある図書棚とベンチ

現在アメリカ、カルフォルニア州のパロ・アルトという町に私用で来ています。パロ・アルトはサンフランシスコのすぐ近くで、スタンフォード大学のある町でもあり、フェイスブック、ヤフー、ヒューレット・パッカード社が生まれた町でもあり、また、スティーブ・ジョブズが住んでいた町でもあります。閑静な住宅街で緑が多く、特に天気の良い日は天国ってきっとこんな感じなんだろう・・・なんて思ってしまうほど美しいです。この住宅街に世田谷区の住宅街でも発見した「あるもの」を発見しました。図書棚です。家の前の歩道に向けて棚を設け、道行く人が本を共有できる棚です。読まなくなった本を捨てるにはもったいけど、売るには汚すぎる。そんなとき、こんな図書棚が助かりますね。

こちらの家の前には本棚のみならずベンチも置かれています。週末になると散歩途中の人がベンチに腰掛けて本を読むのでしょうか。歩道は決して私有地ではないと思うのですが、教育熱心なパロ・アルト市がこのような歩道の使い方にとやかくいうことはないでしょう。

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ハロウィン前後に撮った写真なので通常はのっていないハロウィンデコレーション用の蜘蛛がのっているのはきっとお茶目な近隣さんの計らいですね。絵本から小説まで、自分が普段読まない本に出会える格好の場所。言葉をかわすことはなくとも、こういう形で近隣の人たちと共有できる場があることは非常に大切だと思います。恐らくここに立ち止まると自然と会話がうまれ、人と人との繋がりが生まれるのでしょう。

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弊社の近くにある「まちライブラリー」はこんな感じです。これを発見した時はかなり感動したこと覚えていますが、一度たりとも本が入っているのを見たことがありません。まったく同じ試みなのに、とある国のとある町ではいろんな本がはいっていて、ここでは全く使われていない。ぱっと見がポストみたいだからいけないのでしょうか。それとも歩道がないから???それともベンチがないから???日本に帰国したら、本をこっそり入れてみようと思います。1人の試みがもしかしたら町全体を変えるきっかけに繋がるかもしれない。そんなことを期待して、今からなんの本をいれるか思案中です・・・と言いたかったのですが、

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まちライブラリーについて少し調べてみました。興味のある方はこちらへどうぞ!(←クリック)単純にいらなくなった本を突っ込んで、欲しい本を取る。という感じではなく、本をいれる際には寄贈者の名前をいれたり、貸出カードをつけたり、1ヶ月以内に返さなくてはいけなかったりといろいろとルールがあるみたいです。なくなってもいいという覚悟で本を共有すればより多くの本が流通するのではと思うのは私だけでしょうか。まる・ちバージョンの図書棚をつくろっかなぁ・・・なんて考えたり。いずれにせよ、面白い試みだなぁと思いました。

ありがたい繋がり

今日は前職で担当させていただいた「坂の上のデッキハウス」にお邪魔し、ランチをいただきました。(こちら←から竣工当時の写真が見れます)元気な男の子が3人いらっしゃるので真っ白だった壁はお世辞でも白とは言えない状態になってはいるのですが、そんなことは本当にどうでもよく、子供達がこの開放的な家でどれだけのびのびと感受性豊かに育ってるか、家族がどんな思い出を刻んでいるか、そういうことが大切なんだなぁ・・・と改めて思いました。他の家とはなんか違う、面白い、楽しい家に住んでいると言う誇りからでしょうか。長男君は建築家を含むデザイナー系のお仕事に携わりたいとお考えのようです。そんな話を聞いて私は嬉しくてたまりませんでした。開放的なリビングからはこんな景色が広がります。お天気のいい日は富士山も見えます。崖の上の土地を購入すべきか迷っていらしたお施主様の後押しをするかのように手塚さんが「こんな素晴らしい土地はないよ」と言ったこと、今でも忘れません。

塩バター味のcouscousとお豆や、ヘンプシード入りの人参のラペ、ジャガイモと豚肉の煮込みやら、とにかく、お料理が美味しかった!私の撮った写真が美味しいお食事の1/10さえも伝えられないような下手な写真だったのでここでは割愛させて頂きます。残念!

こんな風に前職のお施主様との関係を続けさせていただいてること、私は幸せな建築家だとつくづく思います。弊社のプロジェクトでもお施主様との関係を大切にして、少しずつ繋がりを増やしていければいいなと思っています。

「坂の上のデッキハウス」のお施主様に感謝。そして、今日という美しい1日に感謝。

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脳の訓練

一級建築士の資格を持っていながらも、アイディアコンペをする意味があるのだろうかとたまに思うことがある。参加者のほとんどは20代。アイディアコンペは直接的な意味で仕事に繋がるわけではない。与えられたテーマや問題を自分なりに解いて2次元の媒体で表現するわけであるが、相当なエネルギーも時間もかなり使う。しかし、弊社ではどんなに状況下においてもコンペに参加することに意義があると考えている。通常は考えない「なにか」について深く「考える」という時間と試練を強制的に与えることが我々建築家にとって必要だと思うからだ。また、実際に建つプロジェクトは予算や土地による制限、表現の自由に限りがある。しかし、アイディアコンペはなんでもありだ。構造や法規について特にシビアに考えなくて済んだあの学生時代に戻って1キロのキャンチを提案したって誰も殺されやしない。絶対的不可能な空間を提案してもいいのだ。どうやったら可能になるか、どうやったら予算以内に入るかを考えるときの建築家たるべき脳の活動領域から逸脱し、別の領域を活動させる。もはや脳の訓練、エクササイズとして捉えるべきであろう。今回参加したコンペは「大きさの家」と言うテーマであった。大きさは国によっても文化によっても人によっても捉え方や考えに差異がある。かなり曖昧で抽象的なテーマではあるが、その「大きさ」と言う概念を更新する住宅はなんであるかを考えると言う課題である。

弊社は日常生活を縦に表現し家具の中に収め、その生活を見せるということで、人の大きさや動き、日常生活とその動作に必要な大きさに対しての新たな認識が生まれるのではないかと思い、この「日常生活家具の住宅」を提出した。しかし、今回のコンペで求められていた「大きさ」の概念を更新しているわけではないと、結果発表を見て改めて反省。また、表現の仕方についても既視感を感じさせるような絵では全く古いものにしか見えない、とこれまた反省。でも、楽しくコンペができたのでこれはこれで良しとする。

 
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コンペ結果の発表はこちら←からどうぞ

K邸 before & after

先週金曜日はK邸の写真撮影だったので私もフォトグラファーの後ろで写真を撮りました。工事が始まる前の写真と似たようなアングルから撮った写真を今日は披露します!before and afterです!比べると本当に面白いですね。

 

光沢のある塗装を施した木目調のフローリングから一転して無垢のロシアンウォールナットを採用。落葉樹だけど針葉樹くらい柔らかい材種なので足も疲れないし、お子様にも優しいです。 

光沢のある塗装を施した木目調のフローリングから一転して無垢のロシアンウォールナットを採用。落葉樹だけど針葉樹くらい柔らかい材種なので足も疲れないし、お子様にも優しいです。

 

カーテンレール用に設けられた壁のでっぱりを取り除き、無垢材の受けで対応。既存の照明器具は撤去し、風船のような裸電球照明を浮かせました。 

カーテンレール用に設けられた壁のでっぱりを取り除き、無垢材の受けで対応。既存の照明器具は撤去し、風船のような裸電球照明を浮かせました。

 

窓の上には梁があるため、そのでっぱりをなくすことはできないのですが、それ以外は整理してなるべく空間内の線を減らすようにしました。既存の壁を取り払い、家具を置いて主要用途を区切っています。 

窓の上には梁があるため、そのでっぱりをなくすことはできないのですが、それ以外は整理してなるべく空間内の線を減らすようにしました。既存の壁を取り払い、家具を置いて主要用途を区切っています。

 

巾木は浮き巾木に変更しました。また、電気設備のプレートは全てスクエアプレートに変更。窓枠はなくし塗装のみこみで仕上げています。 

巾木は浮き巾木に変更しました。また、電気設備のプレートは全てスクエアプレートに変更。窓枠はなくし塗装のみこみで仕上げています。

 

天井はあげられるとこをなるべくあげました。水周り機能を収めた白い壁に囲まれたエリア以外は全て高い天井になっています。風通しのいい家がテーマなので家具の高さは天井よりも低い位置で。フォトグラファーさんも写っちゃいましたね。 

天井はあげられるとこをなるべくあげました。水周り機能を収めた白い壁に囲まれたエリア以外は全て高い天井になっています。風通しのいい家がテーマなので家具の高さは天井よりも低い位置で。フォトグラファーさんも写っちゃいましたね。

 

とても当たり前のように見えて当たり前のことがなされていない設計って多いです。マンションを設計するとき、どれだけ梁が目立たないようにするか、なぜ考えてくれないのだろうかとよく思います。今回はなるべく梁の存在をなくすために梁の面を壁と同面にしたり、他の家具や壁や扉のラインと合わせました。かなり地味な作業ですが、この積み重ねが空間のすっきりとした印象に繋がるか左右されます。 

とても当たり前のように見えて当たり前のことがなされていない設計って多いです。マンションを設計するとき、どれだけ梁が目立たないようにするか、なぜ考えてくれないのだろうかとよく思います。今回はなるべく梁の存在をなくすために梁の面を壁と同面にしたり、他の家具や壁や扉のラインと合わせました。かなり地味な作業ですが、この積み重ねが空間のすっきりとした印象に繋がるか左右されます。

 

大理石の玄関をコンクリート土間に変更。そして玄関を拡張しました。 

大理石の玄関をコンクリート土間に変更。そして玄関を拡張しました。

 

いかがでしたでしょうか?テレビ番組のbefore and afterではありませんが、スケルトンリノベはこうやって比較をすると面白いですよね。今ある状態が当たり前のようになってしまうので、記録としてこういう比較をするのは大切です。

過疎化する街並み

昨日は新幹線に乗って某街の調査をしてきました。多くの地方都市の駅前は商業施設が並び、ビジネススーツに身をまとった人が早足で行き交っているため、地方都市から電車で30分距離のベッドタウンがまさかこのような状態になっているとは衝撃的でした。シャッターの閉じたお店、空き家、空き地、駐車場、建て壊される既存建築物などが延々と続くのです。人口が減っているとはいえども、この街には若い世代はもちろんまだたくさんの方が住んでいらっしゃいます。高齢化が進んでいるといえども、今の60代、70代、80代はまだまだ若いです。でも活気のない街を歩いていたら元気なおじいちゃん、おばあちゃんもどことなく元気が吸い取られてしまいますよね・・・

私の故郷は地方にはありません。しかしもし自分の故郷がこのような悲しい表情をし始めたら、気持ちも距離も遠のき、どれだけ寂しい思いをするだろうかと想像してしまいます。調査ではできるだけ多くの方とお話をさせていただきました。建築家にとって要となるのはより多くの問題や意見をインプットすること、そしてそれを整理してハード、ソフトの両面において答えを導くことだと思っています。今まで見えなかったことが何気ない会話の中から見えてくる時にアイディアが生まれます。

写真のような状態が続きます。人が住んでいらっしゃるのでしょうか。そんなことですらわからない状態ですが、ポテンシャルを感じます。数時間、街を歩かせていただきました。今回の調査は終了。全国各地に目を向けると多くの課題が残っていますね。我々建築家が頑張らなくてはいけないと痛切に感じました。

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お施主様から送られてきた一枚の写真

こちらがその写真です。LDKは線路で占領されてしまったようです。お子様のパラダイス空間!建築家はいろいろなことを想定して設計していますが、これは想定範囲外でした!こういう驚きと発見が日々の糧になります。よっし、今日も頑張ります!

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K邸引き渡し

昨日はK邸の引き渡しでした。
玄関扉を開けた瞬間、「わぁ!!!!かっこいい!!!」と歓声の声を上げるお施主様御家族。玄関で呆然と立ちすくむそんな姿を見て、私も嬉しくてたまりませんでした。こちらのマンションは梁がありとあらゆるところに突出しており、壁の面も全てがガタガタ、窓の高さは面が変わるごとに変わり、同一壁面上にもボコッとカーテンレール用ののボックスがある始末。その面の一つ一つを検証し、可能な限り梁の面と壁の面を合わせ、高さを統一させ、空間の中の線を減らし、すっきりとした印象の空間にしました。2週間前にも現場を確認して頂いたのですが、その時の壁は塗装中、床も家具も養生がついたまま。工務店の荷物も現場のゴミもたくさんある状態。昨日、初めて設計の全貌を見て体感頂き、驚きはひとしおだったと思います。。風通しのいい家にしたいというお施主様のご要望をそのままコンセプトとし、リビングと寝室、廊下と納戸などの用途を区切るのは壁ではなく天井に届かない家具としました。扉の取手は四角い穴に革を巻きつけるだけの簡単な機構。ここからも風が抜けます。

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アングルが少し違うのですが、以下の写真がbefore写真です。とても変わっているのが分かりますね。

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リビングと寝室の間の扉は今回2枚扉にしています。お施主様がお子様の就寝後の様子をリビング側からも見られるような仕様にしてほしいというご要望があったのでこのような扉にさせていただいたのですが、扉は大人だけではなくお子様にも大人気でした。下の扉はお子様の身長に丁度あう高さ。自分のためだけに作られたような特別感を感じたのでしょうか。大満足にこの下扉を使ってお子様が出てきた時はみんな大爆笑でした。

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上扉を使ってちょっと背伸びをすればリビングにいるご両親の姿を確認することもできます。私が書いたスケッチの通りになっていて、本当に嬉しいです。

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閉じている時はこの穴が大活躍。子供の手が出てきたり、大人の手が出てきたり、おもちゃが出てきたり、じろーっと誰かが覗いていたり。遊びのために作ったわけではないのですが、遊び心は灯台の家に引き続き、まる・ち建築の中でサブテーマとして続くのかもしれません。スマイルがたくさん生まれる建築が好きです。

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私をたくさんいる建築家の中から選んでくださったお施主様、そして、精度よく滞りなく工事を終わらせてくれた工務店月森の皆様、大工の皆様、そして工事に関わったその他の皆様に心から感謝しております。無事に引き渡しを終わらせることができて私も幸せ一杯です。

真鍮のビス

明日はK邸の引き渡しです。早めに現場入りして、工務店と一緒にまる・ち製作の革製品を設置して頂くことになっています。取り付け位置は養生を外した後の状態で決定するのがより好ましいため、最後の最後での取り付けとなりました。革と真鍮とラワンとシベリアンウォールナットの質感と色味が上品に空間を演出してくれると期待しています。

真鍮ビスは今回革の取手部分に使います。比較的高価でかつ扱いにくいため、ここぞという場所のみの使用に限られてきます。真鍮は非常に柔らかい金属なので、下穴を作り、ゆっくり慎重に締めていかないとなめてしまうことがよくあります。特にマイナスの頭の場合はすぐに傷が付き、頭が使えなくなります。扱いにくいため、意匠以外の理由で使うことは少なく、真鍮のマイナスビスを探すのに一苦労いたしました。プラスの頭なら東急ハンズなどの専門店で売っているのですが、マイナスの方はネットでも限られたサイズしか売っていません。しかし!K邸の工務店さんが教えてくださいました!真鍮ビスを売っているお店!こちらのお店では以下の品が常備されています。1個単位から購入可!しかも実際手にとって確認できるからサイズの間違いはない。ネットワーク、そして、情報って本当に大切ですね。工務店さんに心から感謝いたします。

余談ですが、真鍮ビスは全て輸入物みたいです。海外のサイトで検索をすると真鍮ピスのオプションがたくさん出てきます。日本よりも需要があるからなのでしょうか?海外に行く機会があれば、ぜひ金物屋さんに足を運び、スーツケースいっぱいに日本では購入できない金物を敷き詰め、今後のプロジェクトのために事務所に保管しておきたいです。

 革と木の戸当たり

革の戸当たりの試作品を作りました。タモ材と栃木レザーで作られています。フローリングの床に馴染む、とても上品でユニークな戸当たりだと思います。床への取り付けはいろんな方法があり、今回の現場では両方向のネジで対応することに。もちろん、商品化したければ鬼目ナットを入れて、オス用に土台を設ければいいのですが・・・もう少し小さい径にして、糸の部分を下に向ければすべらないので、ツマミにもなるのかなぁ・・・とか考えたり。商品化していただける企業さんいらしましたら、是非、お声掛けください!建築家の方で、この商品を使いたい!という方がいらしましたら、個人的にお声掛けください!一個3000円くらいでいかがでしょうか?本気です!!!

革の戸当たり 

設計段階の小さな喜び

建築家にとってこの上ない喜びはお施主様が設計した建物を気に入ってくれて長く大切に使っていただくことですが、設計段階でも小さな喜びが散りばめられています。弊社ではいろいろなスケッチを打ち合わせでお見せします。現在工事中のK邸では「風通しのいい家」をテーマに進めているため、既存の壁を取っぱらい、高さ1.8mの家具で機能を区切って上はスカスカにしています。そのコンセプトの要となる家具のイメージをより具体的に想像していただくため、このようなスケッチを描いてお見せするのが通常ですが、その時、お施主様が驚いたり喜んだりしていらっしゃる姿を見るのが私の設計段階のプチ喜びになっています。そしてお施主様にとってもこの様なスケッチがプチ喜びになっているといいなと思っています。スケッチの多くは採用されないのですが、それでもこのプロセスを大事にしていきたいです。

 

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コンピューターなどの技術が進み、模型を作ったり、手描きでパース図や詳細図を描くのは時代遅れなのでは?とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。アメリカの事務所ではBIM(building information model)は当たり前で導入すべきはVRでのプレゼンでしょ!ということころまで進んでいます。私もBIMプロジェクトはアメリカで10年以上前に経験ずみです。ただし、プレゼンに関してはプロジェクトの種類や規模によって方法を変えるのが一番いいのではと考えています。弊社ではスケッチアップとVrayというレンダリングのプログラムを導入して、手描きスケッチでは表現することが難しい透明感、複雑な図形、リアリスティックなテクスチャーなどを表現することを実験的に進めています。人の心をより強く動かすのは綺麗すぎるほどの直線なのか、本物っぽく見えるツルンとしたイメージなのか、それとも線の太さが均一でなかったり、濃淡が均一でなかったりする線なのか、雑だけど雰囲気が柔らかく伝わるスケッチ図なのか。今後、少しずつ実験をしながら、プレゼンの表現領域を増やしていこうと考えています。

家具と建築とライフスタイル 

昨日はホームパーティに招かれました。私はホームパーティが好きです。時間を気にせず、周りのテーブル客を気にせず、どっぷりと会話を楽しめるから。そしてこのようなホームパーティの要にあるのはテーブルと言っても過言ではありません。昨日伺ったお洒落な家にも足場板で作った素敵なテーブルがありました。足場板を5枚つなげているため幅は1m程あったと思います。長さは2m程。この大きなテーブルがリビングルームの中心を占めます。テレビ台とかありません。私の設計ではないのですが、このテーブルありきの設計であったことは一目瞭然です。住む人の生活のプライオリティを感じます。

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また、テーブルと言って思いつくのは私の前職のボス、手塚貴晴・由比さんの自邸のテーブル。4mのテーブルは手塚ご夫妻の設計です。長いですね!食事も、仕事も、打ち合わせも、パーティも、工作も、宿題も、遊びも(←子供達)そのテーブルを囲んでします。グランドピアノも、ソファもありますが、そのテーブルが断トツ一位で生活の中心にあるような気がします。いつでも家族の集まるテーブル。家族との絆を大切にする手塚さん、由比さんの家族哲学がそのテーブル設計に込められているといつも感じていました。

他にもテーブルと言って思いつくのが前々職、Olson Kundig ArchitectのTom Kundigさんが設計したテーブル。芸術家さんのアトリエの設計で倉庫のリノベプロジェクトでしたが家具設計にも一貫した言語を使い、かなり洗練された空間になっています。大きな車輪が印象的なテーブル。これは6mはあったのではないでしょうか。自宅ではないため、sit downのパーティ用ではなく、カクテルパーティを意識していると思います。写真はお借りできないのでスケッチしてみました。

建築家に設計を頼む時、どんなライフスタイルを目指しているか。どんなライフスタイルに憧れるか。何をしている時に幸せを感じるか。自分にとって中で何が大切であるかを是非建築家に語ってください!建築家はそこからヒントを得て、大きなテーブルを想定した設計を提案するかもしれないし、掘りごたつのあるリビングを提案するかもしれない。テーブルではなくて、巨大な本棚かもしれない。長いソファーかもしれない。大きなワードローブかもしれない。いずれにせよ、既存家具、作り付け家具、新規家具を含めた設計も建築設計の一環として扱うことでより一貫性のある建築設計となり、ライフスタイルがより充実したものになることは間違いないと思います!

家具が入りました!

今日はK邸の現場確認の日。


家具が入ることで寝室、リビングの大きさを体感、確認できました。ちょうどいいサイズ感です。今回も「灯台の家」同様、家具にはラワン材を使っています。ラワン材はもともと下地材として使うことが多く、綺麗な面で揃えるのは非常に難しいのですが、今回も大工さんに頑張って選んで頂いたので非常に綺麗なものが入っています。本当にありがたいです。壁のパテしごきも少しずつ進んでいます。右奥のユニットバスも入りました。ラストスパートに向けて頑張っています!

現場のみなさま、暑い中、ご苦労様です。汗ダックダクの現場確認終了!

 

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ブログを始めます

ブログを始めます。


日々感じていること、見たこと、感動したこと、笑ったこと、建築家として、人として、少しでも共感していただけたら・・・弊社に設計をお願いしたい!と思ってくださる方が増えたら・・・なんていう願いを込めて、不定期に(←週1目指します!)徒然なる感じになると思いますが、ブログを始めます。お時間のある時に是非お立ち寄りください。


現在進行中のK邸のお施主様は素材の質感や手触りなどにこだわりのある方。無機質な素材ではなく時間とともに風合いがよくなる「何か」をディテールのスケールでも取り入れたいと設計当初から考えていました。そこで今回はオリジナルの戸当りと家具の取手、扉の取っ手カバーなどを革製品で作ることを考えています。現在試作品作成中・・・革職人さんに頼めば一番てっとり早いのですが、さすがにこんな小さなお仕事をお願いできる革職人さん、存じ上げておりません。また、そんなことお願いしたらどんだけ高くつくかも想像がつきません。よって、自分でやるしかない。と試行錯誤でやっています。今まで見たことのないものを作りたい。手が触れる小さなエリアではありますが、取っ手の感覚がいつまでも心に残るようなもの。その取っ手の感触が家の思い出となれるようなもの。そんな思い出作りにも建築家頑張っちゃてます。
 

 

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